「まぁ、手短に説明するとー」
の間延びした声が響き渡る。でろりと伸びきったラビがソファの上で何かをもごもごとしゃべったが、よく聞き取れない。神田が不機嫌さMAXの状態で、窓に背中を預けて立っている。リナリーが隣で困ったように笑っていた。
木製のテーブルを挟んでアレンとが向かい合う。
「ハウスって言うのは、まぁ留学生用の寮みたいなもんなのね。別に寮母さんとかいるわけじゃないしどっちかっていうと寮よりシェアハウスって言った方が正しいかな。見ての通り部屋は10個で、留学生は最大で8人まで。あとの2つは案内人と、それから教師とかたまに来るから、お泊り用?ハウスの構造はあとで説明するから今は質問しないでね。でー、えーとなんだっけ?あぁ、そうそう、で、留学生はいくらここの留学生が語学研究のために来てるわけじゃないとは言え、一応日本にいるわけだからね、校内ではなるべく日本語以外を話さないようにって言われてるでしょ?でもハウスの中だったら大丈夫だから。案内人含め皆英語が一応できるから。さっきの喧嘩聞いてたでしょ?うん、だから日本語じゃ言いたいことが伝わらない場合は英語でいいよ。アレンの場合は心配なさそうだけど。で、そうだそうだ、これ重要。基本的に食事以外は自分で好きに行動していいんだけど、あ、食事の時間は、えーとね、朝が7時で夜が8時。休みの日の昼食はまぁ皆テキトーだよ。私はラビとかと食べに行っちゃうこと多いけど。で、そうそう食事なんだけど、これは完全当番制。あとで決めるから。で、お風呂とかは各部屋についてるから。ん?あぁ、なんで留学生はここに入らなきゃいけないかって?知らないよそんなん、鉄則なんだもん。それ言うなら可哀相なのは案内人だよここに住まなきゃいけないんだから。で、ハウスの鍵の管理とかは案内人がしてくれるから。説明書に載ってたでしょ?あー、あとなんだろうな、あぁ、そうだ、他の生徒はハウスの存在は知ってるけどここの場所は知らないことになってるから言わないでね。中には知ってる人もいるけどさ。あとはー、んー今は思い出せないなぁ、とにかく留学生はハウスに住まなきゃいけなくてここがそのハウスってこと。はい、終わり、質問は?」
「僕がここに住まなくちゃいけないってことだけはわかりました」
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07年08月03日
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グリオットチェリー日常編5