「そりゃあつらい、つらいに決まってる、でもな、でも俺は応援しなくちゃならない。彼女があんなにも誠実に、真っ当に、悩んで悩んで、全力をかけてぶつかって、それこそ今の彼女ができるだけの全力を尽くした結果、そしてそっちを最優先させた結果、選ばなかったってだけの話だ。中途半端じゃなかった、たぶん本当は両方を同じくらい頑張りたかったけど、そっちを最優先させたんだ。それでその結果、選んだのは最優先させてきた方じゃなかったんだ。なあ、これがどういうことかわかるか?もうちょっと頑張ってみたら?とかそんな生易しい言葉いらねんだよ、彼女は全力だった。そう!全力で臨んだんだ!全力でやってみて、それでそっちを選ばないんだ、覚悟は決まっているんだろうし、俺たちが気安く呼び止めて良いものじゃない。すごい、すごいよ、俺たちとほぼ変わらない年齢で、そういう決断ができたことも、そういう決断方法を選べたことも。緑間、お前ももっともっとできる限り最優先させなきゃならねえんじゃねえのか?あ?それはおめーにできる本当に全部なのかよ、おめー、わかってんのか、バスケに全部かけてみるっていうのがどういうことなのか!将来を考えて勉強することは大切だ、この上なく大切なことだ、でもそっちを選ぶ前に、本当に切り捨てて良いものなのかどうか、見極めろよ緑間ァ!」





辞めないで






 
「・・・・なあ高尾」
「ん?あれこんにちは主将。ハイハイ何すか?」
「あれは何だ?」
「んー、推しメンの卒業にショックを受けながらもその卒業理由に感動して後輩に推しメンのように全力になって欲しいと望む宮地先輩と意味がわからずドン引きしてる真ちゃん?」
「なるほど、最近お通夜のように暗かったのはそういう理由だったのか。それにしてもなぜ緑間?」
「なんか辞める理由が芸能活動と勉強の両立が難しくなったかららしいんすよ。日夜勉強にも励む緑間もバスケ辞めるんじゃないかって不安になったんじゃないすか?」
「・・・・馬鹿なのか?」







宮地さんの推しメンが某アイドルグループの卒業してしまった子かもしれないという推測が出回っていたからつい・・・・。
うっ、私も大好きでした・・・・。
推しが卒業したときに現実世界と色々混同しちゃうのは仕方ないこと!

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